俺様には甘いイチゴを。




駆け足で女子トイレを出て教室に入る。


3時間目の授業開始2分前。


ゲームをしてる紫音のスマホをバッと後ろから取り上げた。


「うわ‼︎ちょっ、お前何してんだよ…」

「スマホ…スマホ返してほしかったら来て下さい‼︎」

「はぁ⁉︎授業始まるぞ?バカじゃね?」

「授業のこと気にするなんて、紫音の方がバカになったんじゃないですか〜‼︎」

「このチビ‼︎言ったな⁉︎」


教室の時計の針は、授業開始1分前。


屋上まで逃げ切ってやる〜‼︎



ですが、呆気なく失敗し廊下ですぐ捕まえられた…。


「返せよ。つーか、急にどうした?」

「あの…っ、話したいことがあって…。屋上行きません?」

「…分かった。最近あんまり話してなかったもんな」

「うん…。ごめんなさい…」

「謝んなよ。俺も素っ気ない態度で悪かったし……」


照れ臭そうに頭を掻きながら謝る。


珍しい紫音の姿が、なんだか可笑しかった。


ちゃんと紫音に言いたいこと言えそうです。