どうして優菜ちゃんが悲しい顔するの?
紫音のこと好きなら、あたしが別れた方が好都合なのに………。
「あたし…紫音先輩のこと好きです。でも、気付いちゃったんです」
「気付いた…?」
「はい。一花先輩といる一途な紫音先輩が好きだ、って…」
「あたしといる紫音が?…でも…」
「それに紫音先輩から聞いたんです‼︎」
次の言葉は、強気な優菜ちゃんに阻止される。
「俺はアイツの笑顔が好きだ。紫音先輩言ってましたよ?」
優しく笑った顔に、少し胸が傷んだ。
あたし何してるんだろう……。
優菜ちゃんは紫音のこと大好きなのに、あたしのことを応援してくれてる。
まだまだ子供みたい……。
「優菜ちゃん、ありがとう。自分の気持ちに正直になれてなかったみたい…」
「いいえ。あたしは何もしてません」
「紫音に正直な気持ち伝えてくる」
「その勢いです‼︎一花先輩なら、きっと大丈夫」
2個下の後輩に奮い立たされた。
いつまでも、ウジウジしてたって何も進まない。
気持ちに正直になります。

