悩んだまま過ごす学校。


退屈な授業中でさえ、楽しく感じたのに今は全く……。



休み時間も、茉夏は大輝君とラブラブだから割り込むのは申し訳ない。


紫音はスマホのゲームに夢中だし。


何より話し掛けづらいもん……。


自然と居場所を失ったあたしは、女子トイレに逃げ込む。


「はぁ〜………」

「あれ?一花先輩‼︎溜め息なんてついて、どうしたんですか〜?」

「優菜ちゃん‼︎えへへっ、なんでもないよ」

「隠し事ですか⁉︎怪し〜」


リップを塗る優菜ちゃんが、鏡越しに疑いの目を向ける。


こんな時に優菜ちゃんに会うなんて…。


正直なことは言えないや……。


「…紫音先輩でしょう?」

「へっ⁉︎なっ、何が⁉︎」

「一花先輩を悩ませてる原因ですよ。良ければお話聞きますよ?」


なんて勘の良い子なんだろう…。


完全にあたしの負けです。


「実は気まずい関係になってるの。…別れようか悩むぐらい…」

「ええっ⁉︎そんなの…絶対ダメです‼︎」

「優菜ちゃん…?」

「ダメ…。紫音先輩が悲しみます…」


あたしの腕を掴み、今にも泣きそうな表情…。