俺様には甘いイチゴを。




【紫音side】



秋の眩しい光が射し込む午後。


5時間目の授業中。



教科室にある古いソファーに座る俺の膝に、一花を座らせる。


撫でてやれば、気持ち良さそうに目を細めてふにゃっと笑う。


超癒し〜………。


「紫音。あたし、授業受けたいです…」

「分かんないとこ俺が教えてやる」

「数学とか手に負えないよ?」

「好条件じゃん。みっちり教えてやるよ。色々」

「なんか……その言い方怪しいっ‼︎」


ぷくっと膨らませたピンクの頬も。


小さめの唇も。


いや、むしろ存在自体が最高の癒しで。


「食いてぇな……」

「お腹空いたの?さっき、お昼食べたばっかだよ?」

「食後のデザート的な?」

「ん〜…あっ‼︎購買にプリン売ってるかな‼︎」


天然過ぎやしねぇか、イチゴちゃん。


俺、お前、食いたい。


これが言えれば苦労しねぇけど、まだ先に進むのは早そう……。


「プリン食べたくなってきちゃった…」

「買ってやろっか?」

「ほんとに〜⁉︎紫音優しいです‼︎」


餌付けだよ、餌付け。


もっと俺に懐け。