【紫音side】



コクられることも減り、また一花と普段通りに過ごせると思ってた俺。



ジメジメと蒸し暑い昼休みの体育館裏。


梅雨のせいで、地面ぬかるんでるし…。


靴も汚れて最悪な状態の場所に呼び出して来た女の子。


黒髪のチビで、屈託の無い笑顔で俺を見上げる。


「紫音先輩‼︎好きです‼︎付き合って下さいっ‼︎」

「ごめんなさい。…つーか、俺にコクんの何回目?」

「え〜っと……8回目です‼︎」

「そろそろ諦めねーの?俺、可愛い彼女いるよ?」

「諦めません‼︎紫音先輩が大好きだから‼︎」


なかなか、しぶとい後輩に捕まった。



見た目から雰囲気まで一花にどこか似てる、筒井優菜(ツツイ ユウナ)ってヤツ。


4月後半からコクられ続け、8回目。


一花の気強くさせたら優菜になる感じだな……。


「紫音先輩の好みのタイプは⁉︎」

「巨乳なお姉さん」

「嘘つき。一花先輩と真逆じゃないですか‼︎」


おい、言われてんぞ一花。