そんなことをしてから、学校中でたちまち噂が流れた。
『紫音先輩は彼女を溺愛し過ぎてる』
噂好きの大輝が教えてくれた。
間違ってねぇから否定するつもりも無いけど。
めっきり告白も減ったしな。
「紫音‼︎聞いて‼︎聞いて‼︎」
「んだよ、うるせーな…」
「さっきトイレ入ってたら、紫音先輩と彼女さんお似合いだよね〜って噂聞いちゃったぁ〜‼︎」
「はいはい。良かったな」
机に突っ伏す俺の耳元で、ギャーギャー騒いで喜んでる。
そんな良い噂、実際俺も嬉しかったり……。
「やっぱり、紫音はモテモテで良いです‼︎」
「なんで?嫌がってたじゃん」
「どれだけ可愛い女の子に告白されても、あたしの側にいてくれるから‼︎不安にならないもん」
「そっ。じゃあ、お前も俺の側から離れんなよ?」
「えへへっ‼︎照れます〜……」
頭を撫でると、ふにゃって笑うから可愛い。
って、俺らバカップルか。
一花となら、バカップルでもなんでも良いけどな。
俺には一花しか見えてねぇから安心しとけ。

