妬いて仕方ないらしい俺の彼女。
嫌ってほど安心させてやろう。
そう思った次の日の学校。
「茉夏。一花借りて良い?」
「どーぞ。あんまりイジメ過ぎないでね」
「分かってるって」
昼休みに、キョトンと小首を傾げる一花連れて来た廊下。
俺の少し後ろをチョコチョコ着いて来る。
「紫音?どこ行くの?」
「購買」
「さっきお昼食べてたよね?」
「俺、一花と違って成長期だから腹減るの」
「チビって言いたいんですか⁉︎」
騒ぐ一花を宥める様に、小さな白い手を握った。
校内で手繋ぐの…初めてかも。
「こっ、ここ学校だよ…‼︎」
「知ってる。コイツは俺の彼女だってアピール作戦的な?」
「どうして?」
「だって、お前妬くじゃん」
顔を赤くして俯いた。
彼女と手繋いでたら、さすがに後輩達も声は掛けてこない。
「お前は俺の彼女だ。満足したか?」
「す、すごく満足しました…」
俺も満足した。
妬かれるのも悪くないけど、一花には笑顔が一番似合うから。

