言い訳したいわけじゃないけど、これは不可抗力だ。
俺だって好きで告白されてるんじゃない。
大輝と廊下を歩く度に、どっちか話し掛けられる。
「紫音先輩‼︎今日の放課後、屋上来てもらっても良いですかっ」
「昼休みじゃダメか?」
「全然大丈夫です‼︎では、昼休みに屋上で‼︎」
真っ赤な顔して後輩の女子が、逃げる様に走る。
放課後は俺の姫が怒るんで……。
「へぇ〜…今の女の子可愛かったな…」
「あーあ。茉夏にチクってやろ〜」
「はぁ⁉︎それマジでダメ‼︎じゃあ、俺も一花ちゃんに今のこと言ってやる‼︎」
「俺が悪かった‼︎お前じゃないけど、マジでダメ‼︎」
俺と大輝、なんか立場似てんな……。
トボトボと2人で廊下を歩きながら思った。
「俺、結婚したら亭主関白が理想なんだけど…」
「すでに茉夏の尻に敷かれてるよな」
「あはは〜…。紫音こそ、最近一花ちゃんに押され気味だよね」
「そ、そんなことねーから」
「嘘つくなって。動揺見え見え」
いつの間にか、一花が強くなってるし。
小動物みたいに弱い一花はどこ行った⁉︎

