【紫音side】
きっと将来は父親の後継いで、デザイナーをやるんだと思う。
まだ形の見えない漠然とした夢。
だけど、俺は隣に一花さえいてくれれば何も文句ねーの。
アイツが笑っててくれるだけで満足。
そんな高校3年になった最近の俺。
ぶっちゃけ超モテんの。
一花にはあんまり言ってないけど、ほぼ毎日コクられる。
コクられた回数は大輝と競争中。
もちろん、一花と茉夏が席を外してる時に話すけど。
「紫音、今週何回⁉︎」
「まだ水曜日なのにもう5人。で、昼休みに2人に呼び出しされてる」
「マジ⁉︎俺、まだ4人…。今年の1年、グイグイ来るよな⁉︎」
「俺、昨日なんて抱いて下さいってコクられたぞ…」
「あははっ‼︎それ告白っつーのかな‼︎」
大輝と笑い話にしてた時。
俺らの背後に感じた冷やかな気配…。
恐る恐る振り向き唖然。
満面の笑みを浮かべる茉夏と一花が立ってた。
目笑ってないんだけど⁉︎

