そんな恥ずかしい考えが吹き飛ぶこともあるんです。
それは、3年生特有の進路希望調査。
HRの時間に調査票が配られて、みんな書き始める。
え、前の席の茉夏と大輝君も、右隣の紫音も真剣に書いてる⁉︎
結局、初回の進路希望調査は『未定』に印を付けて提出した。
「一花は進路なんて書いたの?」
休み時間に後ろを向いて聞いてくる茉夏。
まだ未定なんですって……。
「えっと〜…あたしはまだ…。茉夏は⁉︎」
「今の事務所でモデル続けるから、就職にした」
「茉夏、モデルさんだもんね‼︎」
夢があるって良いなぁ〜……。
楽しそうに話す茉夏が少し羨ましく感じた。
「あ、進路の話⁉︎俺は、私大希望にしたよ〜‼︎ちなみに英文科‼︎」
「誰も大輝の進路先聞いてないんだけど。一花と話してるから割り込まないで」
「ひどいー‼︎茉夏ちゃん俺の彼女でしょ⁉︎俺、茉夏ちゃんのために英文科行くんだしー‼︎」
「どうして大輝君は茉夏のために?」
「将来、茉夏ちゃんと海外暮らしするためかなっ♪」
「ヤダ」
バッサリ切り捨ててる茉夏だけど、楽しそう。
あたしも夢がほしい……。

