【一花side】
ひらひらと桜が風に舞い、春の匂いが鼻を掠める4月。
隣を歩く背の高い彼を見上げて、つい見惚れてしまう…。
この度、紫音が金髪を卒業し、明るめの茶髪になりました。
この髪色も大人っぽくてカッコイイよぉ〜‼︎
そんなあたし達は、3年生‼︎
高校生活最後の年を迎えた。
今日は珍しく紫音と早めの登校中。
「さっきからすげー視線感じるんだけど…」
「えっ?あたしの彼氏さんは、世界で一番カッコイイなぁと思って」
「どーも。つーか、なんで一緒に学校行くの?」
「…っ‼︎そ、そこはカップルなんだから良いのです‼︎」
「まぁ、悪くはねぇよな」
欠伸をかまして掠れた声で言う。
うぅ〜…カッコ良過ぎてズルイ‼︎
だけど、ごめんなさい紫音…。
一緒に学校行きたい理由、本当は違うのです……。
その理由は、校内に入った瞬間あからさまに分かる。