そして、一花の家に真っ直ぐ行かずに立ち寄ったケーキ屋。
甘いの好きだったよな……。
一花が好きそうなケーキを選んで買ってってあげる俺。
溺愛し過ぎか。
彼女バカって、バカにされるかもしれないけど………
「えっ‼︎わざわざ買って来てくれたの⁉︎ありがと〜‼︎食べますっ‼︎」
別に良いや。
その屈託の無い無邪気な笑顔に、俺は弱い。
「おいしい‼︎ここ駅前のケーキ屋さんだよね?すごい混んでなかった⁉︎」
「や、そんなに混んでなかったけど」
「夜ね、会社帰りの人で大行列なんだよ‼︎前にテレビで中継されてたの‼︎」
「へぇ〜…そっか〜」
「むぅー……興味無さそうです‼︎」
ケーキの話より、コロコロ変わる一花の表情見てる方がよっぽど楽しい。
好きだな…って実感する瞬間。
「ケーキ食べて元気出ました‼︎」
「良かった。つーか、そんだけ元気あったらすぐ学校来れんな」
「明日は行くよ。紫音、退屈でしょ?」
「別に」
「あははっ‼︎嘘つき〜」
めちゃくちゃ退屈してるっつーの。
だから、早く元気になってほしい。

