俺様には甘いイチゴを。




布団に入って、潤んだ瞳の一花。


不謹慎にも可愛いって思う。


「ねぇ、紫音……」

「どうした?」

「帰っちゃう?」

「まだ帰んねーよ」

「良かった…。寂しいから側にいてほしいです……」


こんなこと言われたら、絶対に帰れない。


布団から出てる熱を持った小さな手を握ってやった。


「看病ありがとう…」

「いや、元々は俺の風邪じゃん?ごめんってことで…」

「でも、紫音が治ったなら良いや」

「良くねぇよ。寝て早く治せ、チビ」


ニコッと微笑み目を閉じたら、すぐに寝息が聞こえた。


寝苦しそうだけど、少し安心……。



夕方、帰宅した一花の祖父母さん。


「紫音君、本当にありがとう‼︎迷惑かけたわね〜」


なんて、おばあさんは超褒めて感謝してくれた。


俺が移したのに申し訳ないです…。


「一花は大丈夫なのか⁉︎あぁ〜…病院じゃ‼︎病院‼︎」


おじいさんはいつもの調子。


とりあえず、退屈だから早く学校来いよな。