【紫音side】
なんで俺の一花がモテてんだ…。
俺の彼女だって言う事実は校内中に知れ渡ってるから、今更一花に手を出すバカはいない。
………なのに、バカ1名いた。
「彼氏さんに折り入ってお願いがあります」
「なんだよ…」
「1日だけデートさせて下さい」
「丁重にお断りします。そして、以後俺と一花のとこ来ないで下さい」
「それは無理っぽいです」
笑えるぐらい打たれ強くて、腹立つ程しつこい。
しかも、なかなかのイケメンってやつ。
俺の方が断然勝ってるけど。
最近は一花じゃなくて、俺のとこにまで来る。
マジで一花が取られそうで怖い……。
束縛とか嫉妬ってカッコ悪いと思ってるのに、すげー妬く。
「うーん…。ねぇ、紫音。ここの問題分かる?」
「2番目の公式に代入したら出来んじゃね?」
「あ…ほんとだ‼︎ありがとう」
だけど、この無邪気な笑顔も可愛い仕草を知ってるのも俺だけの特権。
他のヤツに簡単になんてやれねーよ。

