俺様には甘いイチゴを。




全てが丸く収まったと思っていた。


バレンタインから数日後の事。


いつもの席で4人で話していた休み時間、クラスの女の子があたしの元に来た。


「一花ちゃん。D組の男の子来て呼んでるよ〜」

「ありがとう‼︎今行くね‼︎」


〝男の子〟って単語だけで、すでに紫音の眉間にシワが。


誰か分からないけど、呼ばれたなら行かなきゃ‼︎



ささっと教室の出入口に行くと、あの赤髪の男の子が立ってた。


もう会わないと思ってたのに…。


「急に呼び出してごめん…」

「ぜ、全然大丈夫です…っ」

「やっぱ、森野さんのこと好き過ぎて会いに来ちゃいました」

「ふぇっ⁉︎」


さすがに赤面……。


全身が一気に熱くなる。


「赤くなってる。俺のこと意識してくれました?」

「しっ、しししてませんー‼︎」

「そうゆう素直なとこ可愛いです」

「可愛くないからっ‼︎」

「いや、可愛いですよ。俺にとっては世界で一番」


紫音があまり言ってくれない歯が浮く様な甘い台詞。


恥ずかしいよ〜‼︎