下駄箱に戻ると変わらず不機嫌…。
せっかくのバレンタインに、ケンカムードなんて嫌‼︎
「どうだった?相手の男?」
「ちゃんと断って来たよ」
「そっか…」
「不安にならないでね?あたしは紫音だけだもん。だから…はい‼︎チョコあげちゃいます‼︎」
紫音のために作ったんだよ?
たった1人の大好きな紫音のために。
「…ありがとな」
「えへへ‼︎ううん‼︎じゃあ、帰ろっか‼︎」
「あ、その前に……」
紫音の指が頬に触れると、そっと唇が重なった。
誰もいないとはいえ、下駄箱でちゅー……。
「わりぃ…。妬いてイラついて八つ当たりした…」
「好きだから嫉妬してくれたんでしょ?嬉しい‼︎」
「うるせーよ…マジで…」
「あたしは紫音のこと大好きだよ?」
「当たり前だろ?今更、一花に片思いとかヤダ」
手で口元隠してるけど、耳が赤いの隠し切れてないよ。
でも、愛情感じちゃいました‼︎
もう一度キスをして手を繋いで帰った。

