俺様には甘いイチゴを。




なんでしょう……これは。


ピンクの小箱に、メモが小さく折られてテープで貼られている。


『森野さんへ』とすごくキレイな字で……。


「何それ。まさか、逆チョコ?しかも今時ラブレター付き?」

「どうしよう…茉夏…」

「まず、手紙読んでみたら?話はそれから」


背後から茉夏が覗く中、あたしはそっとメモを開いた。


すっごくキレイな字です…。


『放課後、体育館裏の自販機で待ってます。日向 虎太郎』


聞いたことない名前……。



「絶対に告白だね。まず、日向虎太郎って知らないけど」

「紫音に言わなきゃ…」

「行かせないと思うけど。自分以外の男のとこ」

「でも‼︎無視するのも可哀想だし…」

「彼氏いるって知れ渡ってんのに勇気のあるヤツだね。日向虎太郎って人」


紫音の彼女はあたしだってこと…。


校内に知れ渡ってる。


それでもこれってすごく勇気のいる行為だから、無視は最低だよね。


気持ちに応える事は出来ないけど、返事はちゃんとしなきゃ。