観覧車を降りてから、電車に乗って一花の家までの薄暗い道を歩く。
デートの後の帰り道は寂しく感じて苦手だ…。
あわよくば俺の家に連れて帰りたい…なんて。
「遊園地楽しかったです‼︎連れて来てくれてありがとう」
「いーえ。お化け屋敷で大絶叫してたけどなっ」
「ううっ…‼︎だって怖過ぎるもん‼︎」
「大丈夫だ。泣き顔もなかなか最高だったから」
「意地悪‼︎好きなら優しくしてよ〜…」
「分かってねーな。好きだから意地悪してぇの」
って、小学生か。
言った後に、俺が恥ずかしくなった。
でも一花は嬉しそうに微笑む。
「愛情表現ですかっ⁉︎紫音なりの不器用な愛情ですね⁉︎」
「興奮すんなバカ……」
「してないもん‼︎えへへ、またデートしたいね?」
「お化け屋敷でも行く?」
「ヤダ‼︎絶対ヤダ‼︎あ、でも紫音の愛情表現なら……良いかも…」
バカで天然で素直過ぎる俺の彼女。
だけど、そんなとこが丸ごと全部好きだ。
たまには、一花に付き合うデートも悪くないって思った1日だった。