どんどん高さを増す観覧車の窓に張り付き、景色を見下ろす一花。
無邪気で素直な笑顔、すげーかわいい。
俺は、景色なんかよりこの笑顔の方がよっぽど好きだ。
「夕日キレイ…。もうすぐ、てっぺんかな⁉︎」
「そろそろだな。キスでもしちゃう?」
「しないよ‼︎外だから恥ずかしいもん…」
「こんなてっぺんじゃ誰も見れねーよ」
窓に張り付く一花を抱き寄せて、唇を重ねた。
唇が離れたあと、数秒目が合いすぐ逸らす。
「…やっぱ恥ずかしいね…」
「顔真っ赤…」
「紫音もだよ…」
「うっせーチビ‼︎」
「ひどいな〜…。でも、すごく楽しかったね‼︎また来たいです…」
優しく微笑む一花との距離が急に近くなった。
2回目のキスは一花から。
「下手くそ」
「でも耳赤いよ?」
「うるせぇ……」
照れたなんて、絶対言えねぇ………。
日に日に一花が積極的になってる気がするし……。
いつかは、俺が一花の掌で転がされる様になったりして。
なるべく避けてぇな……。