俺様には甘いイチゴを。




いつも通りに今日も紫音が来てくれると思ってた。


なのに……来てくれない…。


30分待っても来ないから、今日はあたしがサボリ部屋まで迎えに行く‼︎



コンコン––––––––


「失礼しまーす…」

「げっ‼︎一花ちゃん⁉︎ちょっ、ちょい待って…‼︎」

「…っ‼︎」


ドアから覗く大輝君の端正な顔が…‼︎


な、生傷だらけ……。


その瞬間、とっさに頭を過ったのは紫音のこと。


「一花ちゃん…?」

「紫音もケガしてるの…?大輝君と一緒にケガしてる?」

「やっ…えっと〜……」


さっきから、大輝君が後ろに目配せしてる…。


紫音があたしを足止めさせてるんだ…。


「もう入る‼︎失礼しますっ‼︎」

「えっ、ちょっと〜⁉︎一花ちゃん⁉︎」



ズカズカ図々しく入って後悔。


案の定、紫音も端正な顔に生傷が…。


どうして……こんな……。


「一花。わりぃけど、今日1人で帰れっか?」

「…ヤダ。帰んないもん…」

「いやっ…一花ちゃん‼︎今日は先帰ってやって?紫音もちょーっと気が立ってるっつーか…」

「ヤダ‼︎帰りません‼︎」


傷付いてるのに無視出来ないよ…。