俺様には甘いイチゴを。




自室へと引きこもるおじいさんの背中を見てると、おばあさんが小さく笑う。


「昨晩から一花が、明日は紫音と遊園地行くの〜って騒いでたの。それを聞いてずっとあの状態よ」


そっか……。


一花は孫だけど、もう娘みたいな存在だもんな。


「俺、いつかおじいさんに殴られそうですね…」

「ふふっ‼︎そんな事したら、一花が泣いて怒るでしょうね」


なんとなく想像出来る雰囲気。


俺まで笑が込み上げた。


まだまだ先の話だけど、一花と結婚する時は大変そうだな……。



それから待つ事約15分。


そーっと襖が開いた。


「お、お待たせしました…」

「全然良いんだけど……」

「いっ、行きます‼︎遊園地‼︎早く行こう‼︎」

「ちょっ、走んなって…」


強引に手を引っ張られて玄関先に。


黙り込む一花に俺も黙ってしまう。



今日…なんか、すげー可愛い。


いや、いつも可愛いけどその倍?


調子狂うな………。