俺様には甘いイチゴを。




数学の講習と確認テストを終えた夕方。


雪は止んだけど外は暗いし、すごく寒そう……。


「よっしゃ〜‼︎やっと終わったぁ‼︎お疲れ、一花ちゃん‼︎」

「お疲れ様‼︎あの〜…大輝君は…この後、茉夏と予定あったりする…?」

「あー…うん。一応ね?」

「やっぱりそうですよねー…」


とゆうか、紫音が今どこにいるのかさえ分からない。


もうアメリカにいるのかな?


「とりあえず、もう遅いし暗いから送ってくよ」

「えっ⁉︎ダメだよ‼︎茉夏とのデートに遅れちゃう‼︎」

「大丈夫‼︎つーか、むしろクリスマスに紫音が何もしないと思う〜?」

「だって…もう日本にいないかもだし……」

「アイツ、まだ日本にいるよ」


大輝君の一言で、どこか安心しちゃうあたし。


「帰ろっか」とカバンを持ち上げた大輝君の後ろを着いて行く。



大輝君の言葉を聞いてから、期待しちゃうよ……。


マフラーを口元まで上げ、緩む頬を隠した。



そして、下駄箱で靴を履き替えてた時。


見覚えのある後ろ姿が玄関先に見えた。


制服じゃなくても分かるよ……。