【一花side】



クリスマスイブもクリスマスも、朝から夕方までみっちり補習………。


数学の補習対象者が集められた教室の窓から、チラチラと降る雪を眺める。


今日はクリスマスなのに……。


2年目のクリスマスも紫音と一緒にいられないなんて寂し過ぎるよ……。


ボーっとしてると涙出ちゃいそう。



「一花ちゃん?大丈夫?」

「へっ‼︎あっ、うん‼︎大丈夫だよ‼︎」

「あはは〜‼︎それなら良かった。俺は紫音みたいに慰めてあげられないからね」


頬杖をつき、同じく窓の外を眺める隣の席の大輝君。


大輝君も数学の補習対象者だったみたい。


知ってる人がいてちょっと安心……。


「クリスマスさぁ〜、紫音と予定あんの?ま、今日だけど‼︎」

「ううん。何もないです…」

「マジ⁉︎紫音も案外冷たい事するんだ⁉︎」

「あたしが悪いから仕方ないの‼︎補習になったのが悪くて……」

「一花ちゃんは、自分の事責め過ぎじゃない?」


もうちょっと勉強頑張れば良かった…。


なんて、今更後悔しても遅いよね…。