自主研修のグループ、なかなか疲れるけど悪くねぇよな。
一花は俺にぺったりだし。
「ん…食べ物の匂いする。右の角曲がった所……」
「茉夏ちゃん⁉︎そっち、自主研の道と反対‼︎こっち‼︎」
「お腹空いた。大輝は優しいから何か買ってくれるよね?」
「し、仕方ねぇな…。紫音‼︎すぐ合流するから先行ってて‼︎」
茉夏に対して、単純過ぎる大輝。
修学旅行の小遣いは茉夏の食費に費やしてるらしい…。
それに比べて一花は何もねぇ。
「一花。なんか欲しいもんとかねぇの?」
「今のところはないよ‼︎お土産用のお菓子は少し買ったけどね‼︎」
「そっか…。お前って欲ねぇのな」
「ええっ‼︎あたしにも欲ぐらいあるよ〜」
「例えば?」
「紫音にずーっとくっついてたいとか…。えへへ‼︎」
可愛過ぎて我慢出来ない分、頭をごしゃごしゃ撫でた。
俺も単純なのかな。
指に絡まる小さな手が、ものすごく好き。
2人きりで歩く知らない道。
照れ笑いを浮かべる一花とちょっとしたデート気分。
俺って超幸せ。

