俺様には甘いイチゴを。




次の日、朝から俺を見付けた瞬間に一花が走って来た。


可愛いヤツめ。


「おはよ〜紫音‼︎」

「おはよ」

「あのねっ、朝ね、茉夏に髪結んでもらったの‼︎どうかな?」

「幼稚園児みたいだな」

「子供扱いしないで〜‼︎」


二つに結んだ髪を揺らしながら、頬を膨らませる。


尚更、幼く見えるな……。



自主研修中、一花の手を繋いでやると機嫌は即直った。


単純だな……。


「えへへっ、楽しいねっ‼︎」

「ただ歩いてるだけぜ?むしろ、疲れねぇの?」

「紫音といるから疲れない‼︎それに、あたしは歩いてるだけで楽しいよ」

「そうだな。好きなヤツといたら楽しいな」


自分では素直に言うクセに、俺が言うと頬を赤く染める。


ほんと一緒にいて飽きない。


一花が隣にいるだけで満足。



「紫音‼︎ぬいぐるみ売ってる〜‼︎可愛いよぉ〜‼︎」

「はいはい、後でな」


お前の方が可愛いんですけどね。