各お寺にあるスタンプを集めて回る自主研修。
これが、なかなか楽しいのです‼︎
「一花。スタンプ押して来るか」
「押したい‼︎スタンプ用紙貸して‼︎」
「逆さまに押すんじゃねーぞ」
バカにしてる〜‼︎
あたしだって、スタンプぐらいキレイに押せます。
「キレイに押せたよっ‼︎」
「おー、上出来。えらいえらい」
「えへへっ‼︎もっと、頭ナデナデしてほしいです…」
「こんな公共の場で欲情すんなよ、チビ〜」
「してない‼︎紫音の意地悪‼︎」
いじけてるあたしの頭をポンポンと優しく叩く。
それだけで……許しちゃう。
惚れた弱味かな……。
「うわ、次の場所まで結構歩くな」
「へっ⁉︎そうなの⁉︎何分ぐらい?」
「早歩きで15分ぐらい」
「うぇ〜‼︎俺、歩くの遅いからもっと時間掛かるなぁ〜…」
苦い顔した大輝君が、紫音の手元の地図を覗き込む。
あたしは紫音といられるなら、歩くの全然苦じゃないよ。

