【一花side】



古く歴史がある有名な観光名所でもあるお寺。


秋を感じさせる紅葉に染められた道。


初めて観るものだらけで、つい夢中になってしまう。


「おい、チビ。お前ちゃんと歩け。転ぶぞ」

「あっ‼︎うん‼︎ごめん‼︎」

「なんなら、手繋いじゃう?」

「いっ、良いの⁉︎」

「ははっ‼︎嘘。ただのバカップルになんのヤダ」


ふいっと顔を逸らす紫音を少しだけ睨んだ。



そんなあたし達は只今、修学旅行に来てます‼︎


うちの学校はグループでの自主研修がメインで、クラス単位で行動する事はあまりない。


もちろん、自主研修のメンバーは紫音、大輝君、茉夏といつもの4人。


ちなみに班長はジャンケンで1人負けした紫音です。


「あっ‼︎アレ美味しそう…」

「茉夏ちゃん‼︎今はダメ‼︎時間無いから‼︎なっ⁉︎」

「あとで、大輝がお饅頭買ってくれるなら我慢する」

「は、はい…。買います…」


スタイルと違い食欲旺盛な茉夏。


引き止め役は、ちょっとゲッソリしてる大輝君‼︎