2人でやった一発勝負のチェス対決。


俺のボロ負け……。


「へへっ‼︎また出直して来い‼︎」

「くっそ〜…次は絶対勝つ‼︎」

「わしに負けてる様じゃ、紫音に一花はやれんなぁ‼︎」


豪快に笑いながらグラス一杯の酒を飲み干した。


このじいちゃんなら、マジで一花のことくれなさそう……。



夜、帰り際に一花とおばあさんが玄関先まで見送ってくれた。


「紫音君、またいらしてね」

「ありがとうございます」

「ふふっ、あの人も紫音君来たらすごく嬉しそう。あの若造に負けられないってチェスの勉強してるのよ?」

「えっ⁉︎そうなんですか……」


意外な事実判明。


一花もケラケラと笑ってた。


そんな一花は門のとこまで見送りに来てくれた。


「寒いし暗いから気を付けて帰ってね‼︎」

「ははっ‼︎俺、一花に心配されてんじゃん‼︎」

「心配するよ〜‼︎大切な人だもん…」

「ありがと。じゃ、またな」

「うん‼︎バイバイ‼︎」


手を振る一花が可愛くてキス。


照れくさそうな笑顔も全部好きだ。



あっという間に過ぎた1年間。


これからもよろしくな。