お兄ちゃんと一緒に大きなお屋敷に帰宅。
嫌だな……。
「そんな顔するなよ。今日は、俺もこっちに泊まるから‼︎」
「うん…。お兄ちゃんは普段どこに住んでるの?」
「大学近くのマンション。この家は窮屈過ぎてゴメンだね」
苦笑いするお兄ちゃんだけど、きっと苦労して来たんだ…。
あたしはまだ幸せだったのかもね。
1人じゃ持て余す程の広いあたしの部屋。
大きなベッドにお兄ちゃんと2人で座り色んなお話を聞いた。
家柄とか、過去とか……。
「お父様は明日この屋敷に帰るって」
「え?夜中もお仕事なの?」
「ううん‼︎どうせ、愛人のとこじゃない?」
「愛人⁉︎」
「まぁ、最終的には愛人の方が逃げてくんだけどね」
納得。
だから、あたしにお母さんはいないんだ。
なぜか冷静に受け止める自分がいた。
「げっ⁉︎もう日付け変わってる‼︎もう寝るか〜」
「そうだねっ。おやすみ、お兄ちゃん」
「おやすみ、一花。…1人で眠れる?」
「子供じゃないもん‼︎」
「あはは‼︎ごめん、ごめん‼︎」
心が軽くなったよ。
ありがとう、お兄ちゃん。

