俺様には甘いイチゴを。




去年の冬休み以来に来た親父の会社。


一花は俺の手にぎゅっとしがみつきながら周りを見渡す。


撮影スタジオに入れば、相変わらず派手な私服の親父。


「しーちゃん‼︎久し振りぃ〜♪」

「しーちゃんって呼ぶな‼︎これ、俺の父親」

「あっ、は、初めまして‼︎森野一花と言います‼︎よろしくお願いします‼︎」

「可愛いね〜‼︎イチゴちゃん‼︎よろしく〜‼︎」

「一花です…」


どうやら俺の両親は一花をイチゴだと思ってるっぽい…。


「んじゃあ〜、早速メイクとか始めちゃおっか‼︎イチゴちゃんは俺に着いて来て‼︎」

「はいっ‼︎」


アイツどんなカッコになるんだろ。


なんて期待を膨らませる事約1時間半。


女の準備って長い……。



「紫音‼︎ど、どうかな…?」


照れながら俺の前でスカートの裾を握る。


『lock』のブランドカラーでもある白と黒を基調とした秋冬ファッション。


普段一花がしない服装だけど、すっげー可愛い…。