俺様には甘いイチゴを。




目が覚めたのは昼前。


隣には裸で眠る昨日の女。


冷静になれば、この部屋すげー甘ったるい香水の匂い……。


シャワーを浴びて匂いを落とし、制服を着てアパートを出た。



俺らの溜まり場の数学科教科室。


昼寝するのに、日当たりがちょーど良い事を理由に選んだ。


今日も一眠りしよ……。


ドアを開けると、なぜか大輝とイチゴが2人きり。


「あっ…龍崎君‼︎おはよう」

「ん、はよ。なんかあったの?」

「へっ⁉︎いや…ううん。なんでもない‼︎またね、大輝君‼︎」

「おう‼︎バイバーイ♪」


絶対、今嘘ついたよな。


しかも、名前で呼ぶとか距離縮まってるし……。


「怖い顔すんなよ〜…」

「してねぇよ。アイツ…なんか言ってたか?」

「いや、何も。あっ‼︎でも、紫音に用事あるんじゃね⁉︎龍崎君いますか〜って入って来たから」

「マジか。アイツんとこ行って来る」

「ちょっ、今授業だぜ⁉︎」

「関係ねぇよ」


なんか助けてほしい事あったから、来たんだろ?


あの泣きそうな顔は見たくねぇ……。


チビのクセに意地張ってんじゃねぇぞ。