【一花side】



「では、委員長が木村。副委員長が佐々木。そして、生活委員は……」



ツッー…っと背中を流れる一筋の汗。


教室の隅っこの席のあたしに、一気に集まる視線。


「森野で良いなっ?」


担任のおじちゃん先生がワザとらしく、あたしに聞く。


仕方なく小さく縦に首を振った。



窓から流れる少し冷たい秋の風。


今のあたしには心地良く感じるの。




事の始まりは、6時間目のHR。


そう、今の時間。


後期のクラス委員を決める話し合いが、メインだった今日。


生活委員が決まらなくて、クラスがざわ付いていた。


すると、1人の女の子が言ったの。


『前期も森野さんが生活委員でしょ〜?引継ぎで良くない?』



そして断れない性格のあたしが頷き、今に至る……。


森野一花、高校1年生。


どこにでもいる普通の女子高生やってます。



しかし、教室を見渡せば、赤、金、オレンジと派手な髪の子ばっかり。


第一志望の難関校に失敗し、二次募集で受けた結果………


この土地でも有名な〝不良校〟に入学しちゃったワケです。