「朱里さえ良ければ……俺んち…来る?」

「順平にもそうしろって言われました。私が幸せになれるのなら、陽平も喜ぶんじゃないかって。」

順平がそんな事を言っていたのが意外だったのか、早苗さんは少し驚いているようだ。

「朱里が俺と一緒に幸せになりたいと思うなら…俺んちにおいで。俺は朱里を幸せにしたいって思ってる。」

「それだと私…甘えすぎじゃないですか?」

早苗さんは私の隣に来て、優しく私を抱きしめた。

「俺にだけは甘えていい。いくらでも受け止めてやる。これでもかってくらい大事にする。」

早苗さんはいつでもあたたかくて優しい。

ずっと私を気にかけてくれて、私の弱さを全部受け入れてくれた。

なかなか素直に自分の気持ちを表に出せない私に、泣いても甘えてもいいんだと言って包み込んでくれた。

早苗さんのそばにいたい。

早苗さんと一緒に、同じ未来を歩みたい。

今、素直にそう思う。

「早苗さん。」

「ん?」

「好きです。」

初めて気持ちを言葉にすると、早苗さんは嬉しそうに笑った。

「俺も朱里が好きだよ。毎日、俺のためだけに朝食作ってくれる?」

「喜んで。」

「ありがとう…。一生大事にする。」

私の唇に優しいキスが降りてきた。

今までの早苗さんとのキスの中で、一番甘くて幸せなキスだった。