その時、ゼロの手がぴくり、と動いた。





ゆっくりとまぶたが開く。





「……フィオネ…か?」




ゼロが私をぼんやりとした瞳で見つめた。





「大丈夫?ゼロ……。」





私が尋ねると、ゼロはゆっくりと起き上がった。




まだ、意識がはっきりとしていないようだ。




「……当分、魔力を溜めないとダメだな。体力を使いすぎた。」





ゼロはそう言って、肩を回す。




そして、大きく深呼吸をすると、
真剣な瞳で私を見た。





ドキ、と心臓が鳴る。





ゼロはゆっくりと口を開いた。









「フィオネ…。俺、ずっとお前に言おうと思ってたことがあるんだ。」








…“言いたいこと”?







ゼロからこうやって切り出してきた時は、だいたい私にとって良い話ではなかった。





私は、ぐっ、と身構えて、彼の言葉の続きを待つ。






ゼロは、少しの沈黙の後、私に尋ねた。









「フィオネ………お前は…………







少年の姿の俺のこと、どう思ってる?」