ラグナの冷たい顔以外を見るのは初めてだ。






私はラグナの方を見て、ぺこりと頭を下げる。




「ラグナさん、助けてもらってありがとうございます。」




本当に、近くにラグナさんがいなければ
私は殺されていたかもしれない。




少なくとも、ガーディアンの人に攻撃されていただろう。





私の言葉にラグナは微笑んで言った。




「ラグナでいいわよ、敬語も使わなくていいし。ゼロのことかばってくれてありがとう。


私もダリシーンにはイライラしてたんだ。おかげでスッキリした。」




私は、ラグナが心を開いてくれたような気がした。




初めて会った時は、苦手な人かもな
と思ったけれど


ラグナはやっぱり優しい人だ。





「それじゃ、店に帰りましょうか。
ジェフ一人に店番を任せるのも不安だわ。」




そう言うと、ラグナは魔具ショップに向けて歩き出した。






私は、ラグナの後に続いて
ガーディアンに見つからないように、速足で歩いて路地を抜けた。