「よっと、ついたついた……」

「吐きそうだ……」

「……ない」

ない。あれが無い。どうして?

きっとあると思ったのに。

「どうした鶴葉。なにがねぇん……」

そう言いかけた土方さん。
察したのだろう。


「お母さんとお父さんが、いません。どうして……死体、持ってかれてしまった……?」

家には焦げ臭い匂いが残っていただけでした。


「とりあえず、中に行って荷物まとめろ早く帰るぞ。お前の家はもう新撰組と一緒なんだ。」

「土方さん……。ありがとうございます」