「よしっ!完成!」

って……これお母さんの白拍子衣装じゃないの。

普通の着物かと…

白拍子の服……。
ほのかにお母さんのかおりがする。


「懐かしい感じがする。」

陽だまりの匂い。大好きなお母さんの。


「あら、似合ってるじゃないの。そうするとお鶴にそっくりじゃないか」

お店のお母さん、お菊さんっていうらしい。

お菊さんは目に涙をためて何かを思い出すように遠くを見ていた。


「ありがとうございます。」


ドタドタドタドタドタドタドタドタ。

ん?足音?