「はぁはぁ、こ、ここか!島原!」

さすが花街、色っぽいお姉さんがいっぱいだよ。

とりあえずお母さんの働いてたお店に……。


「鶴姐さん?」

と、一人の遊女さんに話しかけられた。

「えーっと、たぶんそれお母さんのこと?ですよね。」

「そうやったんか、すんまへん。ということは鶴葉ちゃん?」

「え?私のことを知って……」

「えぇ知ってはるよ。もちろん万さんも。私は猫又ぇ。でも、なんで鶴葉ちゃんがおるの?まさか、なにかあったん?」

「実は……」

なかなか言葉が出てこない。
その代わりに涙が流れる。

ここまで頑張って来た。
説明しないと。だけど涙が溢れる。


「鶴葉ちゃん。お母さんの働いてた店いこか?そこには店のお母さんもおるし。そこで詳しく聞くぇ。」

こくこくとうなずいた。