あたたかい冬の日に雨降り


 翌日、昨日の夜に降った雪が少し積もり、辺りは綺麗な白で染まってる。


 久しぶりに美月らしい薄桃色の墓の前に来れば、葉月と奏汰の腕に抱かれた赤ん坊が空に向かって手を伸ばす。


 上からは、細かい雪がちらちらと降ってきていた。


「夕陽(ゆうひ)も咲来(さくら)も今日は機嫌良くて助かるね」


「本当にな」


 今朝、初めて対面したこいつらの双子の子供、夕陽と咲来。


 小さくてふっくらしてて、あたたかかった。


 小さいそいつらは、ふたりの腕にしっかりと抱え込まれている。


 雪が積もってるのもあるし赤ん坊抱いてるってのもあって、ちゃんとした墓参りはできなかったけど、チビっこの紹介ができたから上出来なんて言って、奏汰と葉月は笑ってた。


「……“あそこ”、行こうか」


 誰が言い出したのか、それとも同時だったのか、顔を見合わせてみんなで笑いながら歩き出す。