しかし放課後。



「のばらちゃん、呼ばれてるよー?」



クラスメイトに声をかけられ、教室の扉に目を移すと、

尚紀くんと一吾くんの姿が……。



わーー! これやばいって!



ざわつくクラスメイトたちの視線を感じながら、2人の元へ行く。



「のばらちゃん今日ヒマー? 一吾の家具、選びに行くんだけど」


「一応、ヒマですが……。ちょっとここで喋るのはマズくて」



楽しそうに話しかけてくる尚紀くんに、ヒソヒソ声で返す私。



一吾くんは何かに気付いたようで、ニヤリと笑い、


「何こそこそしてんの? 一緒に寝た仲なのに」と大声で言い放つ。



――ちょっ!!!



「わーーっ! その言い方、誤解を与えるから!」



その言葉の響きをかき消すように両手をぶんぶん振ると、


「のばらちゃんテンパりすぎ! ウケるー!」


と、尚紀くんはツボにハマったようで、爆笑しだした。



一吾くんもくくくと笑い、お腹をかかえている。



こんの不良男子2人! 絶対楽しんでるでしょ!



鞄を取りに自分の席に戻ると、仲の良い女子たちに「ねーどういうこと?」と詰め寄られる。



「いやいや、小さい頃、家に遊びに来たことあって……それで……」


「なーんだ。そういうことかー」



ちょうどナズちゃんがいなくて助かった。


でも。色んな意味で前途多難なんですけど!