別れを決めた私を、せめて嫌わないで欲しい。
そんな恋もあったなんて思い出にしてくれたらそれで十分。きっと私は歩いていける。
だって……もし、次に逢えたとしても
今日の別れの理由を話すことはきっと叶わないから。
背中に回された長い腕で抱きしめられる幸せな時間も
壊れ物を扱うようなキスも、逆に壊れてしまうようなキスも
時折、わざとらしくするっと背中から胸へいたずらするその手も。
普通の恋人同士だったら全てを愛しく思えただろう。そして私も……その全てを受け止めたに違いない。
口にしたいのに出来ない「愛してる」の言葉。
もしも、それを言ってしまったら……彼の元から去れなくなる。



