愛よりも遠い距離




その言葉が一気に辺りを重苦しい空気に変えていく。



二人の呼吸の音だけが、静か過ぎる部屋に……何度も何度も通り過ぎた。



この部屋の居心地が良かったのは空気だけじゃない。



いつもの様に、整理整頓されたアキの部屋。殺風景なこの部屋が嫌いじゃなかった。



いや、本当に……大好きで堪らなかった。



時折訪れては、一緒にキッチンに立って料理を作ったり



お気に入りのシャンパンの栓を「何処に飛ばそう?」なんて子供じみたいたずらで私を狙う彼からキャーキャー言って逃げてみたり



大きな腕に包まれて鳴り響く心臓を押さえ、息を呑みながらアクション映画を見たり



そんな時間の全てが……大好きだった。