「気分はどう?麻酔はまだ効いてるかしら?」 たどたどしい日本語の現地コーディネーターがそっと病室を開けた。 「Thank you!I'm good」 長らく眠っていたんだろう。 目が覚めた時には明るかった筈の病室へ、今は夕日が沈んで行こうとしていた。 見知らぬ国で見る海と空が割れるような幻想的な景色は、アキとの最後の日と思い出して胸を締め付ける。