冷たい舌

「それ、透子さんが思ってるだけなんじゃないですか?

 和尚くんだって、男なんだし、透子さんの見てないところで、悪さしてるかもしれないじゃないですか」

 ぴたり、と目の前の透子の動きが止まった。

 おや? と思う間もなく、ちょうど上まで来たエスカレーターから飛び降りる。

「和尚はそんなことしませんっ」

 振り返り、子供が駄々を捏ねるように言うと、一人がさっさと行ってしまう。

「あっ、あっ。

 透子さんっ。
 待って―

 ちょっと待ってくださいよーっ」

 春日は慌てて、透子の揺れるスカートを追いかけた。