冷たい舌

 春日は透子が可哀相になって割って入った。

「僕が無理やり連れ出したんですよ。
 姉のプレゼントを買うのに付いてきて頂きたくて」

「あんたの姉貴の?」

 忠尚は、それがただの口実だとわかっているらしく、因縁つけるように睨みつけてくる。

「忠尚さん」

 後ろから、遠慮がちな声がかかった。

 その顔を間近で見た透子は、あっ、と声を上げる。

 その反応に、その子は慌てたように忠尚の陰に隠れた。

 不審そうに、忠尚は自分の後ろを振り返る。

 加奈子と呼ばれたその女は、小柄で可愛い感じの女の子で、透子とは正反対のタイプだった。

 守備範囲が広いなあ、と変なところで感心する。

「透子。
 加奈子を知ってるのか?」

 忠尚のその言葉に反応するように、すうっと女の目が、鋭くなり透子を見た。

 まるで、さっきまでの愛らしい顔つきは作り物であったかのように。

 慌てて透子がフォローを入れる。

 ……弱い。

「あっ、あのっ。
 よく、うちに御守り買いに来てくれるの」