冷たい舌

「透子がどうやって蘇ったのか忘れたのか―」

 ん?

「透子はその額の封印を残したからこそ、魂と肉体が切れずに済んだのだ。

 残念だったな、和尚」

 あ、と透子は額に手をやる。

「今はまだ、透子の身体は龍神の血により、生成し変えているところだが。

 早ければ、七日くらいで、それは完成する」

「ババア……」

 まさか―

「では、龍神様。せいぜい、透子を守って頑張るがよかろう」

 明らかに馬鹿にしくさった高笑いが月光とともに降りそそぐ。

 すぐに去ろうとした薫子だったが、自分の前に立ち尽くしている天満を見たあと、軽く目を伏せた。

「天満― 精進せいよ」

 何かを吹っ切るように目を開けた薫子は、嫣然と微笑む。

 そして、己れこそが天女であるかのように、薄ごろもを翻すと、天高く舞い上がっていった。