冷たい舌

 和尚は透子の消えた淵を覗き込む。

 透子の身体はカーブしている対岸側の、急激に深くなっている場所に呑み込まれたようだった。

 それは、かつて龍神が居た場所。

 だが、こうして見ていても、ただ向こう岸の竹笹が映っているだけだった。

 だが和尚は、その昏い淵に向かって微笑みかける。

「透子、わかってるよ。すぐに行くから、ちょっと待ってろ」

「か、和尚くん……?」

 春日は怖いものでも見るように和尚を見ていた。