冷たい舌

 

 
 和尚と忠尚と春日は、何故か一緒にテントの端にしゃがんでいた。

 おい、と和尚が最初に声を出した。

 なんだよ、と忠尚が答えると、
「別にお前に話しかけたわけじゃない」
と言う。

 忠尚は、むっとして。
「じゃあ、春日、答えろよ」
「え? 僕がですか?」

 なにやっとんじゃ、こいつらは、と公人は呆れたように三人を見ていた。

「透子、ちょっと遅いと思わないか」

「そうですねえ。遅いですねえ、忠尚くん?」

「そうだな。ちょっとおかしいかもしれねえな、春日」

「おかしいかもしれませんねえ、和尚くん」

 人のいい春日は、二人の通訳になってしまっている。

 聞いてる方が苛々してきて、公人はちょうど片付けようと手にしていた大きな舞扇で椅子の背をはたいた。

「お前等、うっとおしい会話はやめんかっ」

 和尚はしゃがんだまま、公人を見上げた。

「透子、遅いじゃねえか」

「じゃあ、捜しに行けばよかろうっ」
と癇癪を起こして叫ぶ。

 ほんっとに、素直じゃないんじゃから、こいつら。