冷たい舌

 公人は二人の言い分など聞かずに、中に入ってきながら言った。

「透子、禊をやり直せ」
「お祖父ちゃん」

 情けなげな声をあげる透子に、公人は風呂の水に手を入れて、顔をしかめる。

「心配するな……。和尚は呼んでおいてやる。早く上がれ」

 お祖父ちゃん?

 濡れて束になった黒髪から滴る冷たい水が透子の体を、ゆっくりと這っていった。