冷たい舌

「ま、そんなに食いたいんならいいけど」

 よかった、じゃ後でね、と透子は笑って手を放す。

「早く戻んなきゃ、龍也怒ってるね」
と行きかけた透子の足がふいに止まる。

 その目は、真昼の空に浮かぶ薄い月に向いていた。

 和尚も釣られたようにそれを見上げる。

 ―透子?